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「春爛漫」

先週、母と桜を見に行った。
最後に母と花見をしたのは、私が小学4年生の頃、40年近く前の話だ。
年齢を重ね、体力の衰えが目立つようになった母と一緒にゆっくりと歩き、近郊の大学の敷地内に点在している桜を眺めながら母が話をしてくれた。
母が生前の祖母と同じ場所で桜を見たこと。
私と花見が出来て嬉しかったこと。

帰り道、母とあと何回花見ができるのだろうか考えた。
いつからか花を愛でるという感情を失っていた私には、今回の母との花見はとても印象深い出来事だった。
母が桜を見て亡き祖母を思い出したように、いつか私も桜を見ては母を思い出す日が来るのだろう。
春爛漫の桜を眺める人々には様々な感情が込められていると学んだ日だった。

4/11/2026, 7:51:10 AM