あなたがいたから/
あなたがいたから
わたしの心は揺れ動いているのです
時計の針を動かすのは怖いです
だからわたしは立ち止まっていました
息を潜めて誰にも見つからないように
孤独を求め孤独に泣き
朝を恐れ夜に怯えていました
まだ少し怖いけれど
あなたが隣にいてくれるから
とりあえず息をしてみようと思います
あなたがいるから
朝露に濡れた木々が美しく見えます
あなたがいるから
ひとりの夜には寂しさが堪えます
あなたがいるから
この胸がトクトクと高鳴ります
あなたがいなくなったら
わたしはどうすればいいのでしょう
あなたがいたから
この世にあなたがいない以上に
苦しいことはないと知ってしまいました
あなたがいなければ
わたしは早々に小さく小さく
静かに消えていたと思います
あなたに繋いでもらったこの命
頭ではわかっていますが
わたしには力がありません
気力が滅法無いのです
変えなくては、頑張らねば、
そんなふうに思えるのもあなたがいるからです
あなたがいるから
わたしの毎日はぐるぐると目まぐるしく回り
夢をみるように日々が美しく見え
なにより、苦しむこともあれど幸せであります
灯火が消えるとき
あなたがいたから幸せでした
心からそう思える、と
それだけはここに書き記しておきます
あなたがいたから
わたしのもやが少しずつ晴れました
これからもずっとあなたの隣にいたい
わたしの隣にはあなたがいてほしい
そんな願いを心に小さく秘め
今日もあなたと生きていきます
好きな色/
想いがこもった色は
わたしの目に最も美しく映る
花嫁さんの緩んだピンクの頬に
覚悟をまとった紅の赤
責任を携えた上がり眉と黒のタキシード
花嫁さんを見つめる愛情と高揚の目の輝き
いかにも勤勉そうなサラリーマンの
首元にある奥さまの趣味であろうネクタイの色
オタクとよばれる彼らが
推しをいかに大切に思っているか
表すように眩く光るペンライトの色
ペットとお揃いのくるくるの毛を
風になびかせながら
散歩をする女性の茶色い髪
愛は色をさらに輝かせる
街を見渡すと愛を感じる色が
いたるところにきらきらと光る
今日もわたしは
好きな色を探して旅をする
6/25/2024, 12:24:42 AM