明かりを落とした浴室に、灯したキャンドルをそうっと持ち込む。
キャンドルホルダーに埋め込まれた色とりどりの硝子が反射して、きらきらと空間を彩る。
ちゃぷんと全身をお湯に沈めれば、温かさにこわばりがほどけていく。揺らめく柔らかな炎を見つめれば、頭の中が静かになっていく。夢のように煌めくカラフルな光は、私の心にもひとつ、まっさらな光を与えてくれた。
日常に追われる中でも、ほんの数分を惜しんで、ほんの少しの非日常すら愉しむ余裕を無くしたくはないと思う。
温かさは、柔らかさは、心地よいのだと知っている、綺麗なものを綺麗だと思える、そんな心を保っていられるように。
11/19/2024, 5:21:39 PM