黒山 治郎

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昔馴染みから腐れ縁の通知が届く
久しぶり、今度飲もうや
たったそれだけのLINEが
時間も度外視で無作法に送られてくる

軽い頭痛にこめかみを押し
久しぶり、良いよ。日時は?

明後日の夜はどう?
あまりにも急だなと一瞬考えはしたが
いや、いつも急だったと即座に考えを改める

遠慮の無さに頭痛は消えずとも
昔馴染みからの誘いには喜びもあり
了解、明後日の21時頃に会おうと
ちゃっかりと時間指定の返信を返し
見飽きたスタンプに既読をつけて
部屋の電気を消した。

潜り込んだ布団の中で
LINEの文字を思い返す

…誘った理由には大体の察しがついていた
どうせ好きだった女子に振られたんだろう
「良い人だとは思うんだけどね」
なんて、お祈りメールにも似た
定型文も添えられたに違いない

明後日の長い夜になりそうな気配と
明明後日の仕事への一抹の不安に
目の奥が引き攣るような感覚がして
私は、こめかみを解す事に徹した。

ー 君からのLINE ー

9/15/2024, 12:33:55 PM