微熱
左手がものすごく暑かった。空気はめちゃくちゃ冷たいのに。寒くて仕方なかったはずなのに、ほんとうに暑かった。どっちの熱かも分からなくて、まるで発熱してるみたいで。もしかして嫌かなって思ったけど離れたくなかったから何も言わなかった。
「今日、うち来る?」
質問を頭で理解した瞬間に耳が赤くなるのをはっきりと感じる。顔を見れなくて上手く返事も出来なくて、とりあえず伝わるように頷いた。
左手がぎゅっと掴まれて逃げ場のない熱が全身に籠る。
家までのあと少しが今日は嬉しくてでも恥ずかしい。
突然おでこに冷たさを感じて体が跳ねた。
当てられている反対の手はすごく冷たい。
どうしたらいいか分からなくて自分の手をその上に置いてみる。
「顔、真っ赤。」
そう言ってはにかんだ笑顔がほんとうに素敵でやっぱり好きだなぁって思ってたら、目の前の顔が耳が少し赤くなった。
「声に出てるよ。」
私のおでこに当てられた右手がいつの間にかものすごく暑かった。
11/26/2024, 4:05:21 PM