それは、目で見るよりも気配で感じるものだった。木漏れ陽の中に溶けかけ、ほとんど色を持たず、指先で触れれば、雪のように溶けてしまいそうなほど、儚く透き通っている。角度を変えるたび、淡い葉脈のような繊維がかすかに浮かび上がり、光を受けて揺れることで、初めてそれが羽根なのだとわかった。風すら音を失う森の中で、木々の間から落ちてきたそれは、樹木の香りと光のあわいに溶け込んで、静けさそのものを纏っていた。題 透明な羽根
11/8/2025, 11:20:35 AM