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「秘密の場所」

秘密の場所は布団の中。夜は一人になれる。誰も家にいなくてもここは落ち着く場所。最近はよく泣いてる。
朝は家族を送り出したら洗濯を回して布団に入って泣く。洗濯が終わった"ピー"と言う音が聞こえてきても泣きやめずにずっと泣いてる。泣いて、泣いて、嗚咽をもらして、名前を呼ぶ。君の名前を呼んでもどうしようもないと分かっているけど呼んでしまう。たくさん泣いたら泣きつかれてそのまんま布団で寝てしまう。ふとした時に、"あ、洗濯"と思って起き上がる。すると何故か分からず涙がこぼれる。誰もいない家ではどうしても孤独を感じてしまう。悲しい…だれか…話をしようよ…
誰もいない。たくさん話してくれる人も今はもういない。泣き崩れてまた暫く静寂に響く泣き声と泣き言。
惨めだな、情けないな…
そう思って顔をぐしゃぐしゃにしたままがんばって立つ。ちょっとづつ、ちょっとづつ、洗濯機に歩く。
泣きながら洗濯物を出す。
泣きながら洗濯物を干す。
長いこと家事はやってきていて褒めてくれる人は君しかいなかった。そんな褒めてくれる君はもういない。
"洗濯した!"
と送ったら
"がんばったね!"
といってくれる君はもういない。
君のおかげでどんなに忙しくても家事をがんばれた。一人じゃなんにもできなかった。久しぶりに誰も褒めてくれない家事はすごく時間がかかった。一つ洗濯物を出しては泣いて、泣きやんではまた洗濯物を取り出すの繰り返し。まったく進まない。
でも…でも…どんなに悲しくても、辛くても、自分は洗濯物を干す。家事をがんばる。彼女が自分の良いところとしてあげてくれたことだ。絶対に続けなきゃ。秘密の場所にさよならを告げて洗濯を干す。これからも頑張ろう。
ありがとう。

            from.干すのが遅れた洗濯物

3/8/2025, 3:34:50 PM