「優しくしないで」
あなたの目が好き。私を人間として見てくれるから。
あなたの手が好き。私を撫でてくれるから。
あなたの言葉が好き。私を安心させてくれるから。あなたの大きな体が好き。私を包み込んでくれるから。
あなたの声が好き。穏やかな声であの人とは違うから。
あなたの全てが好き。優しいから。
―――だけど、私に
優しくしないで―――
きっとあなたも一緒。あなたはあの人みたいになる。
あなたが私の全てになってしまったら、私はもうあの人の元には戻れない。
(なんど繰り返せば良いんだろう。)
あなたはあの人と違って私を人間扱いする。
(あの人も最初はそうだった。)
あなたはあの人と違って私に暴力を振るわない。
(あの人も最初は振るわなかった。)
あなたはあの人と違って私に暴言を吐かない。
(あの人も最初は優しい口調だった。)
あなたはあの人と違って私に苦痛を感じさせない。
(あの人も最初は幸せだけを感じせてくれた。)
「あなたはあの人と違って私に優しくする。」
(あなたもきっと私に優しくしなくなる)
私に優しくしないで。
自分がどれだけ惨めなのか分かってしまうから。
(私は何度罪を重ねれば良いんだろう。)
「二人だけの秘密」⇧のちょっと続編(?)
私には秘密がある。
それは、DV彼氏がいること。そして、私はドMではないこと。そして、私と彼は警察に追われている。私は彼氏のことが大嫌いだ。
殺してしまいたいほど。
私はある日彼氏とは違って、私に優しくする人に出会った。
私はどんどんその人に惹かれていったと同時に、もう彼氏の元には戻れないのではと思った。
私は思ってしまった。
「あいつさえ殺せればあなたと一緒にいれる?」
そんな、酷い想いをあなたの前で呟いてしまった。
あなたは目を見開き私を見ている。
きっと、今ので私に失望しただろうな。
そんな時、あなたは言った。
「…俺も、君と一緒に居たい」
私の酷い言葉に肯定したあなたも
きっと酷い人間なんだ。
そんな答えに至ったのは
私と一緒に居たからなのかもしれない。
だけど私はそんな言葉を聞いたとき
「安心」してしまった。
それから私達は計画をたてた。
あいつを殺す計画を。
~実行~
ついにあいつを殺す日だ。
これで辛い日常はもう戻ってはこない。
私は解放される。
あなたと一緒にいれる。
私とあなたはあいつを殺した。
あいつの死体は川に流して、痕跡を消した。
私とあなたは晴れて恋人になった。
だけど、これからも警察に追われる日々が続く。
だけど、あなたと一緒にいれるならそれでもいい。
きっとあなたも私に―――暴言を振るうだろう。
すごい長文!!
最後まで読んでくださると嬉しいです!
5/4/2024, 1:15:55 AM