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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第七十二話」

「何でみんな覚えてないんだよ!セラフィの奴、仲間に変な呪いかけやがって!」
「俺達は、セラフィの呪いに掛かってた時は、鮮明に覚えてたみたいだ。ただ、呪いが消えた今は…消えてしまっている」
「俺もアンバーと同じだ。ガーネット、君の事を忘れない様にしたかったが、消えてしまったみたいだ」
「アメジストはどうなんだよ?まさか、忘れたとかじゃないよな…?」
「俺も、二人と同様です。セラフィの呪いが解ける前の記憶はほとんどありません」
「う…うわーん!」
ガーネットは、泣いていました。

「何よ、ガーネットとか言う犬、初対面の人にあんな失礼な事言う?腹立つ!」
志那は、怒っていました。
「オイ、あの女、ガーネットか?林檎のメンバーと一緒に居たから間違いないだろうが…」
「グラックさん、抜かりありません。あの女、林檎のメンバーと接触している時間が長いです」
グラックとポールは、志那の方を見ていました。
「行くか?」
「いざ!」
グラックとポールは、志那の側に近寄りました。
「うわっ、だ、誰ですか?」
グラックとポールは、志那の口を塞ぎ、手足を縛り、出現させた檻に志那を閉じ込めました。
「ガーネット、捕獲成功」
「本部に戻るぞ」
グラックとポールは、志那を連れ去ってしまいました。

「ところで、志那は何処だ?」
志那が居ない事に気付いたローズは、辺りを見渡しました。
「あの女、カンケー無いだろ。部外者だから部屋には入れんかったぞ」
ガーネットは、あぐらをかいていました。その時、梨々華が部屋に入って来ました。
「アメジストさん、志那見ませんでした?マンション中探しましたけど、何処にも居ませんわ」
「買い物に行ったんじゃねーの?それにお前、一般人の癖に馴れ馴れしく部屋に入って来んじゃねーぞ!」
「何か、心配だな…」
「人さらいに遭ったとか…?」
アンバーとローズは、不安そうにお互いの顔を見ました。
「アメジストさん!志那がケブバガミにさらわれた…」
負傷したカインドが部屋に入って来ました。
「カインド、良くやった。後は俺達に…」
「アメジストさん、俺も行きます。志那を助けます…」
「先ずは治療した方が良いですね」
「アメジスト、俺達は先に向かう」
アンバーとローズは、志那の後を追いかけようとしました。
「待って下さい。行き着く先は、アジトの可能性が高いです。戦力は十分にした方が良いでしょう」
「作戦は練らないとな」
一同は、作戦会議をし始めました。
「何だよ、あの一般人のゴミ、放っとけよ…」
ガーネットは、浮かない顔をしていました。

2/22/2023, 10:43:18 AM