霜月 朔(創作)

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あいまいな空


今日は朝から、曇り空だった。
空を見上げただけでは、
雨が降るのか、降らないのか、
解らない様な、曖昧な空。
俺は傘を持たずに、家を出た。

街を歩いていると、
ポツリポツリと、
空から雨粒が落ちてきた。

だが。
俺は、傘を買う気にも、
雨宿りする気にもなれず、
少しだけ足早に歩き続けた。

見上げると、空は相変らず曖昧な色で、
落ちてくる雨粒は涙の様で。
まるで、今の俺の心の様だと、
一人苦笑いする。

急に。
青空が恋しくなった。
こんな俺のような曖昧な空の色じゃない、
アイツの笑顔の様な、青空が見たい。

家に帰ったら。
アイツに手紙を書こう。
『今度の休みに、一緒に出掛けないか?』
と。

6/14/2024, 7:12:23 PM