無色の世界うつだな、と客観的に思う。不意に電車の線路に飛び込んでいったスーツ姿の背へ、刹那に羨望をそそぐ。手も伸ばせない距離のはずが目蓋の裏に焼きついた。鮮やかだったはずの赤は、周囲の冷たい視線にさらされまた日常の無色の世界に戻っていく。あっけない、命の幕切れに慣れてしまった私はどこまで転げ落ちていくのだろう。
4/18/2026, 11:34:24 AM