NoName

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懐かしい本を読んでいると、不意に、紅茶の香りが鼻をかすめた。
急いで辺りを見回すも、そこには誰もいない。

きっと、あなたが読んでいたこの小説のせいね。
紅茶を嗜みながら、読書をするのが好きだったあなた。
もうこの世に、あなたはいないというのに。

次第にぼやけていく視界に、微笑むあなたが映った気がした。

10/27/2023, 12:25:56 PM