街
久しぶりに目を覚ました。
変わり果てたそれは、跡形がなかった。
僕は崩れ始めた。
呼吸が上手く出来なくなった。
この街の空気は僕には合わない。
涅色のような空気は肺を痛めた。
空気が行き漂わないこの世界は臭い。
いや、臭いのは外の世界では無い。
臭いのは僕自身なのかもしれない。
1枚、また1枚と鱗が崩れていく。
最期は鉄臭く、僕の肺を痛めるものと良い相性になる。
誰か救ってはくれないだろうか。
僕を救う聖水をこの鱗に一滴垂らしてはくれないだろうか。
街は僕がいなければ完成しなかった。
#05
6/11/2024, 10:26:44 PM