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 1日の始まりを告げる朝日が昇ってきた。けれど私の時間は数年前から止まっている。彼女が死んだあの日も、こんな綺麗な朝焼けだったな。一緒にこの砂浜に座って、コートのおしりの所が二人共ザラザラになって、笑いあったよね。
 風がきつい、波が荒ぶって高く高く波打っている。今年こそ死ねるかな、なんて考えながら初日の出に向かって歩み始めた。一歩一歩重くなっていく。足場がなくなっても進み進み、
 「おい!!お前何してんだよ!」
 嗚呼、また君か。私の意志を無視し私を陸に引き戻す。
 「お前毎年毎年飽きねえな」
 そう言った君の顔は何だか、落ち着きのない少年を笑顔で咎める父親のようだった。

1/4/2024, 8:06:38 AM