ヨルガオ(短編小説)

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「今日は結婚式来てくれてありがとう」

『…うん。ドレス…綺麗だね』

「〇〇が選んでくれたおかげだよ」

『……幸せになってね』

「え、ちょっと泣いてるの?」

『ご、ごめん。嬉し泣きで……』

「もー、ほらおいで」

そう言うと、貴方は私を抱きしめた。

私は少し冷えた胸の中で泣いた。

旦那さんは嬉しいだろうな。

こんな優しい子をお嫁に出来て。

本当は悔し涙だなんて、言えない。

ここが日本じゃなければ、

貴方の隣には、私がいたのかもしれないのに。


ー涙の理由ー

10/10/2023, 12:11:13 PM