鋭い眼差し
まだ戦士に成りたての頃、敵に命を狙われて竦み上がっていた私を助けてくれた人がいました。
謎めいたその人は鋭い眼差しで敵を見つめて、そして次の瞬間相手は倒れていたんです。
とても強くてかっこよくて、でも私には手の届かないような人だって一目で分かった。
私はずっと記憶の中のその人の背中を見ていて、その人に憧れてたくさん鍛練を積みました。
そして、私はそれなりに強い戦士になったんです。
いつか彼と共に戦いたいとすら夢に見ました。
今、その人は私の前に立っています。
一緒にいた仲間たちは皆やられてしまいました。
彼と敵対しなければならない運命を恨みました。
しかし同時に、この再会を嬉しく思いました。
私は持ち得る全ての力で戦いました。
同じ戦士としての誇りに賭けて。
そして、仲間たちへの弔いのために。
でも、あぁ、やはりあなたには敵いませんね。
あなたの鋭い眼差しがまっすぐ私を捉えている。
怖くて悔しいけれど、あなたに葬られるならこれ以上の喜びはない。
10/15/2024, 3:54:40 PM