ゆじび

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「既読のつかないメッセージ」 


「好きです。」
そう言った。
でも、貴方を目の前にしたら緊張できっと私は
「好き」なんて言葉に出来ないから。
だから私はLINEを送った。
思っていたよりもすぐに既読がついて貴方は私に
「会いたい。」と送ってきたね。
断られるんじゃないかと思って私は会いに行くのが怖くてしかたがなかった。

そんなことも色々あってもう付き合ってから3年。
長いようで短い時間だった。
私は逆プロポーズでもしようと思ったの。
だから私は貴方にLINEで送ったよ。
「会いたい。」ってあの日の貴方のLINEと同じように
勇気が必要だったけど。
あの日の貴方もきっとこんな気持ちだった。
私のために振り絞ってくれた勇気が確かにあった。
それだけで私に幸せな気持ちが身体いっぱいに暖かく広がった。。

既読がついて。
貴方から「了解」と送られてきた。
きっと貴方は私がプロポーズをするって思ってもないでしょうね。
貴方の驚く顔がとても楽しみ。

待ち合わせの公園。
昔私が住んでいた家の近く。
よくここで話したな。あの日もここで告白をした。

おかしい。
待ち合わせ時間から1時間以上経ってもまだ貴方は
来ない。
貴方はこんなに遅刻することなかったでしょう?
なのにどうして。
胸が騒ぐ。嫌な予感が心を締め付ける。
彼は大丈夫なのかしら。
....遅刻したって怒らないから。無事ならばすぐにここに来て欲しい。

電話がかかってきた。
もしかして貴方からかと思ってすぐにスマホを取り出した。
貴方ではなかった。貴方のお母さんからだった。
あぁ。嫌な予感とは本当に当たるのね。



彼はもういない。
涙も枯れ果ててなにも出てこない。
目が痛くて開きにくい。
そもそもあまり寝れていないから眠くて瞼が重たい。
なにも喉を通らなくて。
お腹が空いた。
いつ貴方が遊びに来ても大丈夫なようにいつも綺麗に保っていた私の家もすっかり汚れている。
息を吸うことも吐くことも億劫だ。




「逢いたい。」
LINEで送った。
既読がつかないメッセージ。
既読などつくはずもないメッセージ。
このメッセージは誰にも知られずに消えていって
しまうだろう。
それも良いのかもしれない。
誰にも知られずに消えていったこのメッセージが
きっと天国にいる貴方に届くといいなぁ。

逢いたい。
会いたい。
置いていかないで。

貴方だけが死んでいく。
私はどうしてこうなってしまったのかも分からない。


いつか貴方に逢えますように。
それだけを私は願うのです。


瞼が重たいようやく眠りにつけそうだ。





『ピコン。』
スマホがなった。
誰からなのか分からない。
だって私はもう眠たくて指一つ動かないから。
でも、視界の片隅になんだか貴方からLINEが来たと
写し出された気がする。
私は少し安心してそっと瞳を閉じた。














『貴女にもう一度逢いたかった。』





9/20/2025, 11:28:26 AM