仕事の待機中にちょっと外へ出たら冬だっていうのにびっくりするくらいポカポカ陽気。
中庭のベンチに腰掛けて日向ぼっこしてたら君がひょいと現れた。
「こんなとこにいたのかよ。探したわー」
「呼ばれた?」
いや、と首を振って、君が隣に座る。やべーあったけーと空に顔を向けて目を閉じる君。ベンチに放り出された手のひらに、俺はそっと自分の手のひらを乗せた。
「おい」
「いーじゃん」
突っ込まれたけど、君も手を引っ込めることはしない。君と一緒に冬の太陽を浴びる。きもちーな。眠くなってきた。
そうして俺は、君の膝にごろん。
「おいおい、さすがにやべーだろ」
「なんでよ…誰もなんとも思わないよ。おまえら仲良いなとしか、思わないよ」
俺がそう言うと君はしばらく黙ってからまぁそうだなって優しく言って、俺の髪をそっと撫でる。
わかってるよ、俺だって。噂なんてものは背びれ尾ひれがついてひらひらと泳いでいく。
でもね、もしもそんな日が来ても、俺は君と一緒なら何にも怖くないなって思うんだ。
こうして一緒にお日様にあたってればさ、それでいいんだ…
▼君と一緒に
1/7/2024, 8:59:19 AM