な子

Open App

未来への鍵

たくさんの鍵が床にちらばっていた。迫り来る天井を横目に、私は探す。触れた瞬間に輝くとされる未来への鍵はまだ見つからない。
「はーい、時間切れ」
係員の声がした。いや、まだだ。まだ私にはやり残したことが。
「けど、見つからなかったんでしょ? 結局、あなたに未来なんてない」
そうして私は二度と現世に帰ることはなかった。

1/10/2025, 7:59:03 PM