《街》
「おまえにその大学は無理だ。」
私の担任は冷酷にその事実を告げた。でも…私にもそう思える。
「先生がそう言ったとしても…私が諦める理由にはなりません。まだ可能性はあるはずです。」
「そこまでだったか…じゃあもう無理に止めてもしょうがないのかもな。」
「やっと先生も折れましたか。説得大変でした〜」
「その感じだと親の説得も大変だったのか?」
「もう、それはそれは。」
「…結局おまえがそこを目指す理由はなんだ?」
「街へ行きたい。私が仮にこの片田舎に住み続けたら…もう一生ここから出られないと思ってます。」
別に出たければ勝手に出ればという人もいるだろう。そういうわけにもいかず、おそらく家督を継げ的な流れになっちゃうのだ。それだけは…嫌だった。
…だから街へ。
街に行って新しい自分を見つける。
大学はその手段だ。だから絶対…
「受かってやる」
6/11/2024, 12:40:15 PM