#雨に佇む
君と歩いた雨小道
ひとつの傘で歩きたくて
傘が壊れた嘘をつく
“風邪引いちゃうから”
その言葉に期待した
目を伏せながら、身を寄せる
“バイバイ”
傘と言葉を残して
君は遠くへ走ってく
しばらくの間
君の消えた白い闇を見ていた
もう君の姿なんてないのに
雨に佇む
君のくれた傘を
花に落ちる水滴を
ぼんやりと眺めながら
君が悪いわけじゃない
私が勝手に思ってしまっただけ
妄想は夢の中に留めておくべきだった
_でもさ、
小さな水たまり
一粒の雨が
そこに溶けていった
8/27/2024, 10:30:59 AM