【君と最後に会った日】(300字)
もうずいぶん長いこと、君の姿を見ていない。最後に会った日の記憶も曖昧だ。だって、君に会うと私はすぐに動揺してしまうから。目の前の君と向き合うことに精一杯で、思い出なんか残せない。今だって、君の姿を思い出そうとしただけで、心臓が早鐘を打っている。
君がめっきり姿を見せなくなったのは、自分のせいだとわかっている。私が君を――家族のいる君を、拒んだから。
君を避けるために、家の隅々に配置した、黒い駆除剤。その名も、ブラックキャップ。そして君は、Gと呼ばれるもの。またの名を、御器かぶり。
願わくば、君と最後に会った日が、このままずっと、「最後に会った日」であり続けますように。私の平穏な日々のために!
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アース製薬の回し者ではありませんが、5月の連休中にブラックキャップ結界を張っておくと、その年はGを見ずにすむのでおすすめです。
6/27/2024, 2:10:46 AM