語り部シルヴァ

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『bye bye...』

「よし、これで大丈夫...と。」
軽トラの荷台のロックをしっかりとした。
ひょこっと君が顔を出す。
「車出ると危ないから乗り出しちゃダメだよ?」

元気よく返事してから君は友達の元に奥へと行った。
長い付き合いだった...
こんなに立派に育ってくれて嬉しい半面、
別れが来るとこうも辛いのか...
それでも最初から別れる運命だった。受け入れないと...

「そろそろ出発します。大丈夫ですか?」
運転手が確認を取ってきたので
チェックリストを確認する。

「...はい。大丈夫です。お願いします。」
深く頭を下げると運転手は帽子の唾を少し上にあげながら
「わかりました。では失礼します。」
と運転席に座り軽トラのエンジンをかけた。

ゆっくりと走り出す軽トラに俺は大きな声で叫ぶ。
「今までありがとうな!!じゃあな!」

俺の言葉に反応したのか、君は元気よく
「ブー!!」と返してくれた。

語り部シルヴァ

3/22/2025, 10:17:24 AM