─突然の君の訪問。─
夏ももう終わりが近い。
いつだって、僕の隣には君がいた。
本当なら、今日だって隣に居るはずだった。
思い出したって、虚しいだけなのに。
何処にでもいたはずの君が、
何処を捜しても見当たらない。
もういいだろ。
いくら苦しくとも、どうしようも無いんだから。
分かってる。分かってるけれど。
頬を伝う涙が地に落ちたとき。
ピンポーン
チャイムの音がする。
「 」
僕を呼ぶ声がする。
『出ちゃダメだ…!』
そんな声が聞こえたけれど、
僕の足は既に動きだしていた。
「久しぶり」
そう言ったのは僕だったか、アイツだったか。
意識が、曖昧で。
何だかふわふわしていて、心地良い。
その時の僕はきっと、世界で一番しあわせな顔をしてたと思うんだ。
『本当に?』
「うん、本当に」
だって、やっと出逢えた。
僕がこの手で仇をとるんだ。
8/28/2024, 11:50:11 AM