始まりは愛しさだけが満ちていた。心の器に。何も混ざらないくらいに。裏切り。傲慢。無理解。食い違いに、見当違いの「優しさ」。一滴、一滴、落とされては溶けて、愛は空しさに変わっていく。歪んだプライド。ままならない現実。焦熱を吐く支配欲。……反応を早めるとも知らずに。「――! ――……!」ああ、もう音にもならない。【終点】
8/11/2023, 7:57:43 AM