お題「開けないLINE」
すれ違いが始まりの喧嘩
始まりは些細なものだったはずなのに、
意地の張り合いをしてしてしまっていた。
たった一言のごめんなさいを打つために、どれだけの時間を使っただろう、どれだけ手が震えていただろう
スポン、という愉快な音と同時
胸には強い圧迫感と焦燥感。
なんの緊張なのかはもはやわからない。
ただひたすら、自分の胸をなでながら、
大丈夫とやり過ごした時間。
ピコン、と着信音が鳴り、君の名前と
「新着のメッセージがあります」
の表示にどきりとする。
ふぅ、と深呼吸をしても、なかなか指が進まない。
「どうか仲直りできますように」
精一杯の願いを込めて、指に力を込めた。
9/1/2022, 1:00:43 PM