辛いことからも
苦しいことからも
見えない羽根が
私を包んで守ってきてくれた。
言葉という名の武器からも、
裏切りという名の核兵器からも。
羽根はきっと
悲鳴をあげているのに
私は無傷で申し訳なかった。
羽根はどうやら
綺麗なものを見ると回復するようだった。
だから私は休日には
絶対に出かけて
海や山や
雲や星を見ていた。
羽根が段々ふわふわと
また私を包み込んでくれるのを感じた。
ある日ふと気づいてしまった。
羽根などどこにもないと。
自分が壊れてしまいそうで
でも誰も守ってくれないから
自分で自分を包んでた。
無傷なのは傷を縫っていたから。
綺麗なものを見て回復するのは
綺麗なものが好きな私自身。
悲鳴をあげていたのは私だった。
それがまた可哀想で
また包んでしまいそうだった。
大丈夫。
もう大丈夫。
ここにいれば怖くないし
暖かいし
安心していられるよ。
私は私みたいな友達が
守ってくれたり
励ましてくれたり
こうやって包み込んでくれる
暖かい友達が欲しかったんだ。
"Good Midnight!"
最後に自分をぎゅっと抱きしめる。
そして綺麗な透明な羽根を広げた。
もうこれは
包むためだけのものじゃなくなった。
今なら空も飛べるはず。
11/8/2025, 4:18:56 PM