: 秋風
程よく冷たい秋風が
頬を撫で行く黄昏時
夕日も心なしか寒いようで
茜色が澄み切って見える
肌を覆うとろみがかった光は
シルクに包まれたようで心地好い
夕日の色も、光の暖かさも
私は本当に大好きだ
子供の頃、よく母と散歩した並木道
カサカサ踊る葉っぱが面白くて
散歩の足が進まないと
よく二人で笑ったっけ…
あの頃と見る場所は違うけれど
変わらず夕日はいてくれる
秋風が、娘の髪を燻らせる
いつものように夕日に
バイバイと右手を振ったら
お腹がすいたの歌が始まる
繋いだ手はこんなに小さいのに
ぎゅっと握る強さと温かさは
二人の絆の重さを教えてくれる
そうだ、母と娘の誕生日に
お揃いのマフラーをプレゼントしよう
何色がいいかしら…
秋風が葉っぱを優しく転がした
桜月夜
11/14/2024, 1:23:12 PM