七瀬弥生

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私はいつも足りなかった。

胸の真ん中のみぞおちよりも少し上に小さなガラスのコップがあって、それはいつも満たされない。
多分どこかにヒビだか穴だかがあるんだろう。
母に抱きしめられても、父にプレゼントをもらっても、友達の称賛も、大人たちからの賛辞も…
ほんの一瞬コップを満たすだけですぐに中身はどこかへ行ってしまう。

欲しいのはそんなものじゃない。
私だけが一番。私だけ、私以外はいらない。
そんな愛が欲しい。
私が失敗しても、醜くなっても、お金がなくても、赦してくれる無償の愛が必要なのだ。

ヒビの入ったコップを常に満たしてくれるような愛を。
お願い。どうかお願いします。
もっともっと
溢れて溺れてしまうくらい

愛を注いで

12/13/2023, 1:22:23 PM