~だから、一人でいたい~少し冷えきった部屋の中、小さな箱に詰められた色とりどりの宝石を手に取る。どれも大切な物だった。愛おしい物だった。手放せないはずの思い出だった。今ではただ美しいだけのそれを一つ一つ床に落としていく。空に近付いていく箱の中とは対象的に、部屋の中はステンドグラスを散りばめたようになっていく。最後の一つを床に落とす。虚しさが心を縛り付けた。なぜだろう、今日は少しだけ一人でいたい。床に座り込み、空の箱を抱きしめた。
8/1/2023, 10:00:26 AM