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誰かの面倒を見るのは、正直あまり苦では無い。
それに対して「そんな世話焼きだったっけ?」と友には茶化されたが、別に人それぞれだろうと軽い反論を打ち返した。

ただそうは言っても、ふと線みたいなものが途切れる瞬間はあるし、唐突にバッとすべてを投げ出してみたくもなる。
──正しく、今がそうであるように。

パートナーを送り出した扉を施錠すると、途端に肩の荷が降りたのか自ずと大きな吐息が出てきた。
だって自分も一人の人間。
のんびりと「おやすみモード」になりたい気分も、正常に備わり機能しているのだから。

そんなこんなで戻ってきたキッチンの一角。
すでに戸棚の隙間には、この日のために拵えておいた甘味たちが香りを潜ませて、今か今かと己が出番を待っている。

さあそろそろ、お湯も沸く頃合い。
不定期開催・おひとり様限定な、秘密のお茶会を始めよう。

【たまには】

3/5/2024, 12:00:34 PM