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『ふたりぼっち』

歳を重ねていくにつれ、ひとりが増えた。
あんなに誰かと一緒に居ないと不安でどうしようもなかった学校生活も、早く職場に馴染めるようにとコミュニティーに参加することも、なくなった。

それは必要、不必要なことだったとかではなく
自分で選択していくことを自分自身が覚えたのだ。

無理な付き合いをなくし、ひとりが増えると
自分の声がよく聞こえる。

あれがしたい、これはしたくない。
これが食べたい、これは嫌いだ。

じゃあ、なにがしたい?
なにが食べたい?

まるで小さな子供の頃の自分がわがままを言っていて
大人になった自分が寄り添って慰めているような。

本当の自分は、優しくも愛想が良いわけでもない。
もっと自己的で、甘いお菓子だけを食べたい。
汚いものは触りたくないし、嫌な話も聞きたくない。

大人になるにつれ、選択肢も増え自己責任でやってきたような気でいたけれど、本当は小さな不安がる子供を守る為に無理矢理大人ぶっていただけみたいだ。

ひとり時間が増えようと、その中には
本当に言いたい言葉を秘めた、もうひとりの自分が
確かに存在している。

友達といる方が建前がある分、楽なんじゃないかなと思うほどに自分自身と向き合うのは面倒だ。

だけど、どんな場所でどんな生き方をしようと
ふたりで歩いていくんだと思う。

時に手を繋いで、引っ張ったり引っ張られたりしながら
ふたりで最善な幸福を拾いながら歩いていこう。

背の伸びた自分と、背の低いままの自分ふたりぼっちで。

3/22/2026, 9:59:01 AM