眠っていたところ、突然後ろに引っ張られる感触に驚いてぼんやりとだけれど目を覚ました。
何事かと思って虚ろな瞳で振り返る。仄暗い中で見えたのは、愛しい彼が切なそうな表情で私を強く抱きしめていた。
ああ、大好き。
この落ち着く温もりは私を安心させるものだから、彼に体重をあずけた。すると彼の顔が肩に埋められる。
少し寂しいのかな。
そんなことを思いながら、抱きしめられた腕に手を添えていると、涼しくなった気温が彼の温かさをより感じさせて心地好くなる。
大好きな温もりに包まれて、このまま意識を手放しちゃおうと思った。
おわり
一六六、もう一つの物語
(一六五、暗がりの中で のもう一つの物語)
10/29/2024, 12:23:10 PM