No.21『すだちの香り』
散文 / エッセイ風掌編小説
今日も19時に書く習慣アプリのお題が発表された。通知バーに表示された今日のお題は、ゆずの香りとのこと。
(なんでゆずの香り?)
と、一瞬考えたが、いつものように文章を書くために検索をして、発表された12月22日は冬至だということを思い出した。
わたしは徳島生まれの徳島育ちで、柚子にあまり馴染みがない。徳島県内でも柚子の産地の地域もあるが、基本的には徳島で柑橘類と言ったら『すだち』だ。
徳島県民は庭にすだちの木があったり、ご近所さんからお裾分けして貰ったりして、収穫時期はほぼ毎日のようにすだちを使う。収穫時期にはスーパーに山積みされるし、それほどまでにポピュラーなものなのだ。
お酒だと、すだち酎にすだち酒もある。勿論、すだちジュースも。アイスクリームは勿論、すだちシャーベットなんかのスイーツも馴染み深いものだ。すだちハニーは所謂ホットすだちで、焼き魚は勿論、味噌汁に果汁を搾って入れたりもする。こうしてこれを書いている時点でも、ゆずの香りと言うよりも、すだちの香りが鼻腔をくすぐっているような気がしていたり。
そんなこんなでわたしは今、何も浮かんでいない湯舟に浸かっている。
お題:ゆずの香り
12/23/2022, 3:46:39 AM