山百合

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・7『神様だけが知っている』

あれから部署移動もあり
グラビアページに線を引き、コラージュを作成している天気の神様と自称する男性と会うことはなかった。
ただ他の職員に聞き込みをした限り会話らしい会話をしたことがある者はいなかったのは不思議だ。

季節が夏から秋にさしかかろうという頃
夢を見た

頭上に入道雲があり目を凝らすと雲の中に雷がピカピカしている。まるで入道雲が飼っているやんちゃな犬のように雷は形を変えながら踊っているようだった

それから私は雲の中に吸い込まれ打ち上げ花火のような稲光を見るのだった。

今年の夏の花火大会は天候不順で全て中止になってしまった事を神様が「申し訳なかったね」と計らってくれたようだった。

私は怖がるべきか楽しむべきか悩むのだった。
『欲がないんだねぇ』と言う男の言葉が蘇る。

【おわり】

7/4/2024, 4:38:56 PM