ノーネイム

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黄昏て

君は

帰っていくんだね

君の偽りの家へ

夕飯?

そう尋ねても

何も言わない

細くしなやかな身体と烏の艶を纏った黒髪から

放ったほのかな香りに僕は何も言えず


本当に夕飯を食べに帰るんだよね?

その一言を言いたかった。

違うよね?

君が消えて行ったのは

君の家と真逆の寂しい繁華街

寂しいよ

きっと君もそう言いたかったはず

同じ気持ち交わらず

君が汚れていくだけ。

そう、僕は何も言えず。

10/2/2022, 9:38:20 AM