目が覚めるまでに
まだ、ここで声を聴いていたい。
このまま貴方と砂利道を歩いていたい。
こんなにも手の温もりも実感しているのに。
貴方が帰ってくるまで、ご飯を作って、お風呂の準備をして待っていたかったのに。
私の思いとは裏腹に微睡んでいく。
目が覚めたら、見慣れた天井とシーリングライトが目いっぱいに広がって、雀の鳴き声か何かが微かに聴こえる。
一呼吸したら、片方の眼から涙が一筋流れた。
何故か起きてはいけなかったような、焦燥感に襲われる。
願わずにはいられない。
もう一度あの世界へいざなって。
8/3/2023, 12:32:19 PM