梅鉢リエル

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ルールブックが好きだ。
生徒手帳に書いてあった校則も全部読んでいたし、好きな競技のものはもちろん、ボードゲームのなんかも楽しい。強引なルールはどこにでもあるし、そんな細かい規定まで必要なのかと思うようなものも、クスッと笑ってしまうようなものもある。ルールは守らなければならないけれど、ちょっとした抜け道や穴を探す人がいるのもまた面白い。解釈は個人により異なることがあるからだ。
私は職業柄、相談を受けることが多い。その中にはなぜか道徳をルールブックにしたがる人たちがいて、私はこれがあまり好きになれない。ゲームなど狭い世界で限られた行動パターンが想定される場合にはルールが必要だ。それによりその世界が面白くなる。ただ人生はそれとは全く異なる。生き方、夢の追い方、人付き合いやお金の使い方は、自分で決めていいものだ。あらゆる意味で他人を傷つけないことだけが基本ルールであり、迷惑をかけないように頑張っていても、かけてしまうことはあるし、どんなに気を付けていても、時に人を傷つけてしまうことだってある。幸せの主観は人それぞれでいい。相談者にそういう話をすると納得されることが多いことに実は少し驚いてもいる。昭和のお母さんは事あるごとに「家は家、他所は他所(、うちはうち、よそはよそ)。」と口にした。そう堂々と言えるお母ちゃんみたいな人が今の時代には必要なのかもしれない。

4/24/2023, 10:46:02 PM