星嶺歩王

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「今日の占いによると、ところにより雨が降るそうですわ」

澱んだ茶色の雲の下、さほど大きいとは言えない城の中の部屋に二人。
青年とその夫人が、各々の作業をしながら空を見上げている。
「どこで降りそうなんだ?」
「〇〇国から◇◇国にかけて。我らが城の真上も。広い範囲であります故、各所で量も違うかと」
「なるほど…。」
二人は、朝の訪れとともに、恵みとも災いとも取れる空を見上げていた。
バラのように美しい夫人の顔も、今日は、一日中水を浴びたラベンダーのように沈んだ顔をしている。
「何かご予定が?」
「今日は久方の休暇だったんで、バンコーとウサギ狩りでも行こうかと思っていたが、この天気では到底出来まい。今日はお主と共にのんびり過ごすとしようじゃないか!」
「ほんとうに!?」
「あぁ!ここ最近、夜中も顔を見せる事が少なくなってしまっていた。減った分を取り戻さねば。」
「んもう♡愛しい人!」
「こちらの台詞だ。こんなに美しく可憐で、
…こんなにも愛しい人が隣にいるなど。なんて幸せ者なんだ、俺は!」



本日の〇〇国の天気は、ところにより雨
時々晴れ





魔苦滅須バックストーリー


参考
W.シェイクスピア「マクベス」
ナゴヤ座「MACBETHー魔苦滅須ー」
より

3/24/2026, 5:27:21 PM