「貴方には、妹がいたのよ」
産まれたと同時に亡くなった妹。
存在を知ったのは、高校2年生の頃だった。
「その……初めまして」
初めて、妹のお墓参りに行った。
妹は私と2歳差で、ということは生きていれば妹は中学三年生だ。
「高校受験か。貴方は受けるのかな?私は勉強できないけど、貴方なら出来たのかな」
顔も知らないし、声も仕草も何もかも知らないけれど、なんとなく寂しい気持ちになった。
「……ごめん、もう行くね。貴方に、かっこ悪いところ見せたくないや」
下を向くと、ポタッポタッと何かが落ちているのを見た。
私の大切な小さな命の誕生日、貴方の好きそうな花を一生懸命選びました。
どうか、受け取って。
2/24/2024, 1:39:08 PM