かたいなか

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「ワックスペーパー使って、低糖質の小さい菓子を、糖質約1〜2gずつに小分けして包めば糖質管理が楽、っつー知見を得たんだがな」
今日も今日とてエモみマシマシな題目を前に、書いて消して書いてを繰り返す、某所在住物書きである。
「包んでる途中で、そもそも包む手間と紙代がチリツモな気がして、なんなら菓子代を全廃止すれば紙代も何もいらないってハナシで、でもやっぱチョコは食いてぇから糖質管理大事、って堂々巡りしてるわ」
人はパンのみで云々。都合良く部分的に引っ張ってきただけの言葉で、物書きは己の食欲を肯定した。

――――――

今日も相変わらず仕事がクソだ。
ゴマスリばっかりの後増利係長は課長にスリスリ。
その係長に、一緒に仕事してる先輩が悪い意味で気に入られちゃったみたいで、仕事を片付けても片付けても、わんこそば形式に新しい仕事押し付けられてる。
朝イチに来た客なんてもっと酷い。
入ってきて、わざわざ全然関係無い話ばっかりダラダラ続けて、こっちが会話を切り上げようとすると、キレて怒鳴って突然号泣して。大騒動だった。

周囲の客は動画撮ったり子供を避難させたり。お客様対応中の誰かさんはチベットスナギツネなジト目。
最終的に、隣部署の宇曽野主任の伝家の宝刀「ウソ野ジョーク」と「悪いお客様はしまっちゃおうねバズーカ」が炸裂。逃げるようにその客は帰ってった。
神様仏様警察様。いるならこの世からカスハラ全部無くしてください(切実)
他には何もいらないから、迷惑系Customerを世界から一掃してください(嘆願)

「一応、年齢と性別と、身なりと会話内容の傾向から、アレの理由はいくつか推測できる」
昼休憩にそれを雑談ネタにする人、多かったみたい。
私も先輩に愚痴ったら、真面目な意見が返ってきた。
勿論チベットスナギツネな諦めの薄笑いで。
「脳のブレーキ、疎外感、怒りやすさ、薬の副作用、ストレス、王様欲求等。全部話すと昼が無くなるな」
仕方ない、仕方ない。先輩はため息をついて、スープジャーの中の肉団子をつっつく。
「『そんな行動をしてしまう人間が、一定数、事実としている』。それだけのことだ。深く考えると、医学と脳科学と心理学と社会学あたりにハマるぞ」
連中に心を寄せる必要は無い。何もいらない。放っておけ。先輩はそう結んで、また肉団子をつっついた。

「そういう人がいるのと、誰かに迷惑かけて良いのとじゃ、ハナシ違うと思う」
「ごもっとも。だが多分、彼等独りではどうにもできないんだろうさ。仕方ない。それだけだ」
「『それだけ』で全部済んでたらツー様は要らないし鶴カプも無いと思う」
「よく分からないがコーヒー飲むか」
「のむ。アイス。ミルク1個とシロップ4個」
「糖質過多だ。2個にしておけ」
「人間、ガッツリ糖質キメなきゃ、やってらんない時があるんだよ。先輩」

4/20/2023, 10:36:22 PM