流れ星に願い…ね……
そんなもので願いが叶うのなら、こんな所にはいないさ。頭のすぐ上を素通りしていく星々を見て思った。吐いた息が白い。全身が凍てつく程に冷えきった空気を僕が今生きるために吸う。
足場が悪い。視界がぐらつく。食料は昨日の夜で尽きてしまった。酸素すらも足りない。あと少しで奴のところにたどり着けるはずなのに。涙が出る。凍る。涙が出る。溶かす。凍る。何度繰り返したことだろう。ひたすらに目の前を続く山を、崖を登る。登るうちに目の前にでかい洞穴が現れた。中からは熱いと錯覚してしまうような冷たい風と異様なまでの存在を感じる。間違いない。ここに奴は、神は、いる。
飛び込む。そこにはおぞましいような、それでいて美しいような、異形のそれがいた。
「あれ?人間じゃないか!どうしてお前らみたいなのが一人ぽっちで俺のところまで?すごいねぇ!!何がそこまでお前を動かしたんだ?」
へぇ、人間の言葉を話してくれるのか神様は。随分話が早いじゃないか。
「せっかくひ弱な人間がこんな所まで来れたんだ。何かしらご褒美があったっていいと思わないか?」
気が遠くなる。
きっとこれが僕の最期なんだろう。
オーロラを眺めながら思う。この世界は綺麗だと。美しいと。だが君が居ないんだ。君が見たいと言っていた景色を僕だけが見ている。この世界を美しいと教えてくれたのは君だったのに。
飽きたな…いつか書くことにしよう
4/25/2024, 11:42:49 AM