回顧録

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こんな1年後を誰が想像しただろうか。
1年前に計画された時から大幅に狂った1年後。色んなものが変化した1年後。何を信じればいいのか分からなくなった1年後。

対面には異様な高揚感に包まれた彼が、マイクに齧り付くように叫んでいた。長年一緒にいるのに初めて見る彼の姿。
酸欠で回らない頭はてんで役に立たなくて、紡がれる言葉はとても正直で単純な『楽しかった』。謎のテンションでみんなを置いていく、MCとしてはグダグダだ。

それでもいい、そういう時の為に俺がいるのだ。
そうやってバランスを俺たちは取ってきたのだから。
先日の借りはこれで返済やな。

マイクを口元に持っていく。

ああ、幸せだ。まさかこんな1年後が待っているなんて!

『うちのーー』

(手を繋いで掲げよう、俺たちは最高で最強だ)


作者の自我コーナー
いつもの。タイムリーな話題だったので。
この前書いた話と対っぽくなっているといいな。
楽しそうな彼等を見れて幸せな日々でした。

6/25/2024, 5:02:06 AM