風雪 武士

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 ✧二人だけの秘密

午前4時。
ホテルの駐車場。
暗闇の中、野良猫が魚の切り身をムシャムシャと食べていた。
青い瞳のトルコ猫だ。
朝食には早すぎる時間だが、人や他の野良猫には遭遇しないので都合が良かった。
食事が終わり立ち去ろうとした。
その時、男が突然現れた。
男はスマホで猫翻訳アプリを立ち上げた。
「よう、久し振りだな」
男は話した。
「あら、風雪の旦那、本当に久し振りぶりね。会えて嬉しいわ」
トルコ猫は言った。
「ホントかよ?会うと思えばいつでも会えるのに、僕の睡眠中に食事して帰ってるじゃないか!」
「いつも忙しそうだから気を使ってるのよ」
「よく言うよ、5分10分ぐらいなら時間取れるから勤務時間内に来なさい」
「22時〜深夜2時はお肌のゴ−ルデンタイムなの。だから夜更かしするとお肌が荒れるから健康の為に寝てるのよ」
「ああ、そうか!って、あんた顔毛だらけやん!」
「レディは色々と大変なのよ!」
「ところで、僕が作った猫ハウスになんで住んでくれないの?二人だけの秘密、いや、正確には一人と一匹の秘密になるけど…」
「野良猫はね、人に住処を知られたくないのよ、ましては私はレディなんだら…」
「そうかもしれんけど、車の下に隠れてアスファルトやコンクリートの上で寝たら痛いでしよ。フカフカの毛布がある猫ハウスで休みなさい。気持ちいいし疲れ取れるよ。こないだ貴方を助けた行動から僕がどういう人間か分かったでしょ。僕は貴方の味方だから信用しなさい(青い瞳の来客編読んで下さい)トルコ猫ちゃんは警戒し過ぎ、信用できる人間には懐いた方がいい。そしたら、貴方を保護してくれる人間が現れて、家猫として幸せになれるかもしれないよ」
「なかなか魅力的な話ね……。考えておくわ」
トルコ猫は暗闇に溶け込んだ。




5/3/2026, 10:32:07 AM