彗星

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題:ついていく

「あ、の、机のコスモス、見てくれましたか……?」
 不安げに聞いてくるロゼッタさん。前日、俺に赤いコスモスをくれた本人だ。
「もちろん」
 今は、ロゼッタさんと二人きりで話している。
 ……ロゼッタさんの本音を聞くために。
「私は……リンクさんの、ことが……す、好きなんです!だから、付き合ってください!」
「……俺も、ロゼッタさんのことが好きです」
「え……」
 さっきまで緊張してたクセに、俺が返事をしたら一気に困惑してる。意外に感情を出す人なのかもな。
 そんなロゼッタさんも、好き。
「全部が好きです。ミステリアスなところも、チコ達を愛しているところも、マリオさん達のことが大好きなところも。全部が」
「つまり……?」
「喜んで、お付き合いさせていただきます」
「!……」
 付き合うと言った瞬間に両手で口を抑えて涙を流すロゼッタさん。泣いている顔も綺麗。この人に綺麗じゃないところなんてないんじゃないかって思う。
 俺はそんなロゼッタさんに抱きついて。
「……どこまでも、ついていきますから」
「……ありがとう、ございますっ……」
 泣きながらの礼を言うロゼッタさんは、どこか幼気な感じがする。
 俺は大好きなロゼッタさんと、口付けを交わした。

◊ ◊ ◊

 翌日の街中では。
「レジェンドチームのあの二人が交際を発表!?」
「末永くお幸せに!!」
「二人、お似合いだね!」
 リンクとロゼッタの交際発表についてのモニターに釘付けだった。
 そこで、二人にインタビューが入る。
『ロゼッタさんはリンクさんのどこが好きになったんですか?』
『えっと、最初は無口無表情でちょっと怖いなって思ってたんですけど、打ち解けていくうちに見せる笑顔が素敵で、気付けば目で追っていました』
『そこから恋心が芽生えていったんですね』
『はいっ』
『それでは、リンクさんはロゼッタさんのどこが好きになったんですか?』
『全部です。楽しそうに笑っているところとか、クールなところとか、チコ達に読み聞かせているところとか』
『知ってたんですか!?』
『知ってますよ。ロゼッタさんのことならなんでも』
『っ!!』
『互いに愛し合っているんですね』
『『!!』』
「二人可愛よ!!」
「今死んでも悔いはないわ!!」
「全人類が感動する瞬間!!」
 記者の言葉に顔を赤らめる二人を見て、街行く人々は幸福感に満たされる。
『どこまでもついていきますからね、ロゼッタさん』
『〜〜っ!』
 リンクがロゼッタを愛しているということを伝えてまた顔を赤くするロゼッタを見て、また人々は幸福感に満たされた。
ーー愛してますよ、ロゼッタさん。

お題『どこまでも』

10/13/2025, 3:49:38 AM