逆光
鴉は光を浴びた
井の中の蛙が大海を知らぬように
田舎の鴉は 朝日を浴びた
彼女は光を浴びた
暗闇に紛れた暮らしの先に
無知な彼女は 脚光を浴びた
そのノートには 彼女らの闇が詰まっていた
虹色の感情がどろどろに積み重ねられて
心をそのまま描いたように 気味が悪くなっていた
黒くシャーペンで彩られた白紙の絵画には
黒鉛の瞬きがあった
今日も彼女は いつも独り
独りで知らないステージへ行く
ステージを降りた僕は
独り目を瞑る
彼女が眩しかったのか
僕が僕を見たくなかったのか
あの場所がまだ光り輝いているのかは
逆光のみが教える
1/24/2024, 2:07:29 PM