夏子

Open App

電話が鳴った…
小さな美容室の日常の風景だ

「予約の電話だな…」
そう思って急ぎ受話器を手にした

「もしもし、美容室〇〇でございます」
「こちら、〇〇銀行のAと申します」

なんだ…銀行さんか…と心の声

ちょうど昼時だったし、保険か投資話か?
しかし、話の内容は全く違った…

「この度は、住宅ローンの完済ありがとうございました」
……そうだった!今月だ!

「つきましては、最終の書類のお渡しを」
「はい、わかりました…では、週明けに」

外交さんが、自宅に来て最終作業をする事で、約束をし電話を切った

一緒に昼ご飯を食べていたダンナさんに
「終わったよ!完済したよ…全部!」

そしたら、茶碗を持ったままダンナさんが
「マジか!…長かったなぁ30年…」
ふと見ると、なんだかウルウルしている

30年…一家の大黒柱としてのプレッシャーは、きっと半端なく重かっただろう…
「頑張ったな…俺たち本当に頑張ったよ」

続きの昼ご飯を食べながら何度も握手を
交わした…ホント戦い抜いた戦友みたいだ

沢山ケンカもした…綺麗事じゃやってけない…けれどそこには、お互いに相手を信じ
思いやる気持ちは常にあった…

まさしく、「愛を注いで」きた結果がある
どこにでもある一家庭の日常の風景が
そこにあった…






12/13/2024, 9:45:46 PM