無音

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【32,お題:言葉はいらない、ただ・・・】

「そばにいて」

「ぁあ?」

布団に潜った状態で、頭だけだしてこっちを見つめている二つの瞳
口に出した後で、やべっみたいな顔しても遅いぞ。めっちゃ聞こえたから

「何だぁ?寂しいんか?」

「...」

小さくコクンと頷く、マジかよ俺の弟可愛すぎじゃん

「あー、じゃ母さん呼んでくるか?」

「やだ」

「あぁ?」

「にーにがいい」

とたんに鈍器でぶん殴られたような衝撃が走った。
はい可愛い、マジ可愛い、間違いなく俺の弟世界一だわ

わかった側にいるよ、と言うと。えへへ、にぃにといっしょだぁ、とはにかんで見せる弟
可愛い、てか尊い、尊すぎてなんかもう心臓痛い

「んで、どーする?絵本でも読むか?」

「んぅ...」

眠いのか、うとうとしながら必死に目を開けようとしてる。可愛い

結局眠気に抗えず、幸せそうに寝息をたてて寝てしまった

「あーこりゃ仕事はパスだな」

可愛い弟に頼まれちまったからな、側に居てくれって
部下に電話をかけながら、寝てしまった弟の頭をそっと撫でた

間違いなく世界一可愛い俺の弟
コイツの幸せを守るためなら、俺は何でもできる。

8/29/2023, 4:15:59 PM