題:決して変わることのない恋
ーーもしも君が僕と同じ身分だったとしても、僕は君を愛しただろうか。
ピーチ城のテラスでの午後のティータイム。マリオは甘く華やかな香りのフレーバーティーを口に含みながら考えていた。
マリオはただのブルックリンの住人で、ピーチはキノコ王国のプリンセス。そんな一般人のマリオを彼女は愛したし、高貴な彼女を彼も愛した。
でも、もし、ピーチ姫も僕と同じ一般人だったら……?
そんな妄想がさっきから絶えない。別にどっちでも良いとも思う。けれど。
ーー何か気になる。
もしも君が僕と同じ身分だったとしても、君は僕を愛した……?
失礼な奴だと自分でも思う。でも君が僕と同じ身分だったとしても、決して変わることのない恋になるのかな。
そんな事を考えながらピーチの顔を見ていたマリオにピーチが気付いた。
「あら、どうしたの?マリオ」
「いや、君がもし僕と同じ身分でも、君は僕を愛してくれるのかなと思って」
「……?当たり前じゃない。もしも私がただの一般人だったとしても、必ず貴方を愛していたわ。だって、今でこんなにも貴方を愛しているんですもの」
ピーチはさも当然といった様に言った。
マリオはその様子につい吹き出してしまった。
「何よ」
「いいや。君らしいなと思って。愛してるよ、ピーチ姫」
「私も愛しているわ」
今日のティータイムは、いつもより幸せだったそうな。
お題『もしも君が』
6/14/2025, 1:11:16 PM