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突然の君の訪問。雨の中、ドアを開けたら冷たい風が吹き込んできて身震いして、君の言葉に心臓が止まり掛けたのが四半刻前。今はとにかく君とずぶ濡れになりながら歩いていた。
死にたいと零した君に、どこで死ぬのと問いかけた。すると笑って、分からないと答えた。じゃあ探しに行こう、二人で。最後の最後まで一緒にいて、一緒に死のう。そしたら何も寂しくないから、と半ば強引に押し通した。寒いけど、でも一人で家で過ごしてた先程よりかはずっと暖かい。君も笑っていて、多分こんな時間だけだったら君も死ななくてもすんだのかもしれない、なんて。
飛び込みは迷惑かかるからダメ、飛び降りもちょっと嫌、でも血は見たくない。ならば、君が大好きな夜の海へ行こう。海の生物にはちょっと申し訳ないけれど、でもあの綺麗な海の中で死ねるのなら本望だと二人で意見が揃った。
「でも今日は雨だし、晴れたらがいいな」
「折角なら綺麗な夜の海で死にたいね」
じゃあ、ちょっとだけ死ぬのは先延ばし。

突然の君の訪問。終わりをちょっと延長します。



[突然の君の訪問。]

8/28/2022, 12:57:33 PM